どのくらいの期間化粧品を利用すれシミはなくなるのでしょうか?

正直に言うと、最短でどのくらいという統計は存在しません。美白化粧品の効果には大きな個人差があるからです。美白化粧品はその場しのぎで一時的に使う代物ではありません。50代、60代で美しい肌を保っている女性は数十年積み重ねて使用しています。たとえ、数週間でシミが消えたとしても、使用を中止した途端にシミは再発するかもしれません。数ヶ月継続して使っているものの、シミが消えたり現れたりを繰り返している方もいることでしょう。

 

化粧品の成分を分析的・論理的に考えると、思った以上に時間と忍耐を必要とすることがわかってきます。シミの化粧品成分には、①メラニン漂白作用、②メラニンの生成を抑える作用、③ターンオーバーを促進する作用が備わっていることはもうご存知だと思いますので、これをもとにあえて期間を割り出してみます。

 

漂白作用の点を重視すれば、シミを短時間で消すことは可能かも知れません。例えば、非常に強い漂白作用をもつ「ハイドロキノン」です。本来は0.5%にまで薄めて写真現像の用途で使用する化学薬品です。シミ治療のために皮膚科などの医療機関だけで処方されていましたが、2001年の薬法改正により国内化粧品の成分としても使用できるようになりました。皮膚癌の事例も報告されてるので、極力濃度を薄めて長期間の使用に耐えうるようにしなければなりません。そのため、ハイドロキノンにだけ依存するのではなく、他の漂白成分や補助成分と併用している方も多いようです。

 

肌のターンオーバーの観点から重視すれば、1ヶ月以上はかかります。シミが皮膚の外に排出されない程度にまで低下してしまった新陳代謝を一時的に高めるわけです。10代であっても皮膚細胞が完全に入れ変わるまでには最低20日かかります。20代では28日、30代では40日、40代では55日と遅くなります。これらの自然な周期よりもターンオーバーが速くなってしまうと、質が低下します。つまり、不要な物質が排出されなくなります。化粧品の作用は、ターンオーバーの周期を速めることにあるのではなく、この周期で10代のころのような完全交換に近づけることにあります。つまり、いかなる化粧品を使っても、30代は40日、40代は55日しないと、本当の効果は分からないのです。残念なことに、現代社会にはターンオーバーの質を落とす要因が多くあります。食事・睡眠の乱れやストレスが化粧品の効果を相殺してしまいます。

 

こう考えてみると、化粧品は外見的なシミの症状に惑わされることなく長く使い続けなければいけません。長く使い続けるからこそ、自分に合った濃度や成分のものを選ばなければなりません。治療、予防、耐性作りのネットワークを意識して健康的に化粧品を使い続けてください。

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